湘南の魚と料理 No14 “スルメイカ”
2024年5月3日 (Yano)
魚屋の店頭に相模湾産のスルメイカが並んでいました。例年5〜6月に出てくる麦イカ(スルメイカの幼体で胴長が10cm程度のもの)よりは少し大きなサイズでしたが地物の初物を味わいました。
スルメイカ:ツツイカ目アカイカ科スルメイカ属
名前の由来は、「するめ」(鯣)にされるイカの中で最も量が多いイカだからと言われています。
東シナ海、対馬海峡などで生まれ、成長しながら一部オホーツク海まで北上、産卵の為南下し1年の短い一生を終えるという回遊性のイカであることから、”季節の旅人”などと粋な名前もあるようです。産卵期によって秋・冬・夏の3群があり生息域も異なる為、日本各地で夏期を中心に広く漁獲されています。
温暖化の影響とも言われていますが、近年漁獲量が激減しています。
(参照:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑、ウィキペディア)
今回のスルメイカ料理
スルメイカにはアニサキスが入っている確率が比較的高いので、生で食べる場合にはブラックライトでしっかり確認するか、冷凍庫に2日ほど置き死滅させることが安全です。冷凍してもあまり食味が落ちない為、このイカはいつも冷凍保存しています。
今回の料理は名前を聞いただけで味が想像できて、その通りの味に仕上がりました。スルメイカは日常の食の中で定着していると改めて感じました。このような重要な食材資源の枯渇傾向は本当に心配ですね。
スルメイカのコチュジャンソース和え:
スルメイカの生の身は甘みが弱いので、沸騰した湯で10秒ほど湯がいて氷水に落とし半生状態にします。
食べやすいサイズに切り分け、思いつきで作ったコチュジャン・九州の甘めの刺身醤油・酢・胡麻油のソースをかけ薬味に刻み茗荷を添えました。
柔らかいイカの身と甘辛のソースが想像通りの味で、ビールのつまみに最高でした。
イカゲソとジャガイモの煮物:
イカゲソ料理の定番ですね。 じゃがいもを食べやすいサイズに切り分け、電子レンジで2分ほど調理、酒・醤油・砂糖をお好みの分量で煮汁をつくり3−4分煮て、最後にイカゲソを加えて1分位煮ます。そのまま暫く置いて煮汁を充分に含ませます。
今回のスルメイカは小型で肉質は比較的柔らかいですが、スルメイカは熱を入れ過ぎると身が硬くなるのでサーっと熱を通すようにしたいです。
これも想像通りのほっこりした味で、イカも柔らかくとても美味しかったです。
スルメイカのバター醤油炒め:
イカの炒め物には定番の味付けですね。エリンギがあったので、スライスしたエリンギをオリーブ油で炒め表面に水分が出てきたところで、イカとバターを投入しサッと炒めて最後に醤油を加えて仕上げます。
文句なしに美味いですね。
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