藤澤浮世絵館展示
「歌川国貞(三代豊国)の役者見立東海道 歌舞伎役者の面影」
2024年6月14日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で「歌川国貞(三代豊国)の役者見立東海道 歌舞伎役者の面影」が7月3日(水)まで開催されています。歌川国貞(三代豊国)による「東海道五十三次之内」(通称「役者見立東海道」)は130点以上も描かれていますが、本展示では藤沢市が所蔵する89点の作品が展示されています。
「役者見立東海道」は、手前に歌舞伎役者が描かれ、背景に演目や登場人物に関係のある宿場の風景を描いています。大変な人気を博した作品で、最初に刊行された55点に加えて次から次へと追加され、全部で130点以上もの人気シリーズとなりました。
それでは、各コーナーの展示内容を紹介していきましょう。
◆東海道五十三次コーナー「役者見立東海道の原点 最初の五十三次」
東海道五十三次コーナーは、最初に出版された55点の内の21点が展示されています。「役者見立東海道」の原点ともいえる「グループ1」の作品群です。
◆藤沢宿コーナー「役者見立東海道の様々な背景」
「役者見立東海道」は背景に宿場や間の宿の風景が描かれています。藤沢宿コーナーでは、背景に着目して作品を展示しています。
背景には歌川広重の「通称:保永堂版東海道」や「通称:蔦屋版東海道」が採用されているものもあります。背景に引用された作品のパネルもあわせて展示されているので比較して鑑賞できます。
◆江の島コーナー「役者見立東海道の出版事情」
「役者見立東海道」は「グループ1」の作品が出版されたあとも追加で出版されていて、出版の時期や作品の特徴によりいくつかのグループに分類されます。
江の島コーナーでは、追加出版の作品をグループ2~4に分類して、グループ毎の特徴とともに展示しています。
◆企画コーナー「歌舞伎役者の面影 存命スター、故人スター」
企画コーナーでは「役者見立東海道」に描かれた歌舞伎役者に焦点を合わせて展示しています。八代目市川団十郎、五代目市川海老蔵、五代目松本幸四郎をはじめとして当時の人気役者の面影を楽しむことができます。
今回の展示は全コーナーにわたって「役者見立東海道」89点が展示されていて壮観でした。何といっても当時の人気歌舞伎役者の似顔絵が鑑賞できるのが最大のみどころでもあります。本コラムでその展示内容を全てお伝えするのは無理というもの。是非とも浮世絵館に足を運んでじっくりと鑑賞していただければと思います。
◆学芸員によるみどころ解説が6月30日(日)に行われます
・開催日:6月30日(日)
・時 間:11:00~/15:00~(各回同一内容・30分程度)
・場 所:藤澤浮世絵館 多目的室
・定 員:各回30人(当日先着順)
・参加費:無料
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページでは、展示作品の解説が展示期間中掲載されていますのでご覧いただければと思います。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。☑ 2024年6月14日