続・湘南のお地蔵さま(91)『一六子育地蔵』
2024年7月8日 (江ノ電沿線新聞)
続・湘南のお地蔵さま(91)『一六子育地蔵』
横浜市 伊勢佐木町 中島淳一
京急黄金町駅近くに伊勢佐木町七丁目商店街があり、その連なる商店の一画に一年中「お祭り」のような雰囲気の賑やかな場所がある。全国的にも珍しい、商店街の人々が世話をしている「一六子育地蔵」である。
この地蔵尊は明治三十七年に富山県出身の僧侶によりこの地に創建された寺の地蔵堂本尊と伝わる。関東大震災や横浜大空襲を無事に乗り越えた霊験あらたかな尊像で、一と六の付く日に縁日が開かれてきたことに由来する名前のようである。右手に錫杖左手に子どもを抱き優しく微笑む姿で、周囲には十王像や奪衣婆などを従え冥界の有様を表している。
現在は子育安産・家内安全・交通安全・商売繁盛にご利益があるとされ、また現在でも六~八月に開催される縁日ではストリートライブなども行われる。また専用のホームページも持ち、地域の人々に愛される地蔵尊である。
ちょうど今の季節には、地域の園児たちの手作り風鈴や七夕短冊が尊前に飾られ、笑顔の絶えない子どもが大好きなお地蔵さまである。
一六子育地蔵と子どもたちのパワーで、地域を元気にしようとする人々のひたむきな努力に拍手を送りつつ、ぜひお参りに訪れてほしい。