藤沢市アートスペース令和6年度企画展Ⅲ
「廣川玉枝|皮膚のデザイン」
2024年10月11日 (itazu)
藤沢市アートスペースでは展覧会、廣川玉枝|皮膚のデザイン」を10月5日(土)より開催し、彼女の作品やその制作過程を紹介しています。(会期:10月5日~12月22日)
廣川玉枝は、藤沢市出身の日本を代表する服飾デザイナーです。
廣川玉枝の「皮膚のデザイン」は、彼女が2006年に立ち上げた服飾ブランド「SOMARTA」の一環として開発された「スキン シリーズ」に代表されます。
このシリーズは、無縫製ニット技術を用いて作られた衣服で、皮膚のように伸縮し、身体の動きを妨げない特徴があり、展示解説によれば、「国や人種、性別や体形など、全てを超越した世界服になると廣川は考えた」とあります。
廣川は、皮膚を「第一の皮膚」と捉え、それに近い存在として「第二の皮膚」を目指した衣服をデザインしています。この「スキン シリーズ」は、レディ・ガガなどの国際的なアーティストやダンサーにも愛用されています。
2017年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)へ作品が収蔵されたことや、また2021年にはアシックスと協業しTOKYO2020オリンピック・パラリンピックのスポーツウェアのデザインを手がけたことでも話題を呼びました.
Podium Jacket アシックスASICS:
TOKYO2020オリンピック・パラリンピックのスポーツウェアのテキスタイルデザインをアシックスと協業にて手掛けた。(展示品はJOC公認オフィシャルレプリカ)
彼女のデザイン活動は衣服だけにとどまらず、椅子や自動車、空間デザインなど多岐にわたります。
廣川は、人間の身体構造を大きく分解すると、軸となる「骨格」、内側の「内臓や筋肉」、外皮の「皮膚」の三層の関係性がありますが、この関係性はあらゆる人間の創造物などのデザインにも当てはめることが可能であることを発見したといわれ、「第三の皮膚」「第四の皮膚」として、椅子、家具、モビリティ、建物などに「スキン シリーズ」を拡張していきます。
展示ルーム2では「スキン シリーズ」を発展させたインスタレーション作品が展示されています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 ☑ 2024年10月10日