江の島の植物・アレチウリ
2024年11月10日 (坪倉兌雄)
アレチウリ(荒地瓜)Sicyos angulatus は北アメリカ原産、ウリ科アレチウリ属の一年草で、雌雄同種。第二次世界大戦後に、静岡県清水港で見つかり、国内の各地に広がったものとされ、川辺や荒地、草地などに、その繁殖を見ることができます。江の島では、海辺の山側や草地、などで見ることができます。茎はつる性で、長さ数メートル~数十メートルにのび、ウリ科特有の3~4岐した巻きひげで、他物にからみながら地面を覆います。葉は互生して、長い葉柄があり、身は円心形で浅く3~7裂、その裂片はとがり、葉の表面はざらつき、裏面は淡緑色で葉脈が隆起します。花期は7~10月、葉腋から花序をだし、淡黄白色の花をまばらにつけます。雄花序には雄花が、雌花序には雌花がつきます。
雄花序には10~15㌢の長い柄があり、その先に数個の淡黄白色の花を総状につけ、柄には腺毛がまばらにあります。雄しべは葯で合着して一塊になります。雌花序の柄は3~6㌢と短く、枝の先に淡黄白色の雌花が多数頭状に集まります。雌しべは1個で、柱頭は3個あります。果実は長さ約1.5㌢の長卵形~楕円形で、表面にはやわらかい棘を密生し、種子が1個入ります。名前の由来は、増殖力が旺盛で荒地などによく生え、草姿がウリの仲間に似ることによります。アレチウリの葉や蔓の草姿は、冬瓜(とうがん)などのウリ科の葉などに似ていますが、果実の長さは約1.5㌢と小さく、食用ウリの果実とはまったく異なります。アレチウリは現在、外来生物法の「特定外来生物」に指定されており、「栽培・保管・輸入・運搬・飼育」などが禁止されています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2024年11月10日