江の島の植物・コエビソウ
2024年11月20日 (坪倉兌雄)
コエビソウ(小海老草)Justicia brandegeeanaは、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の常緑低木で、原産地はメキシコの熱帯地域。日本に渡来したのは昭和の初期とされ、観賞用として各地で栽培されています。原産は熱帯地方ですが、江の島では、参道わきに地植えや鉢植えされており、路地で越冬して毎年赤い花を咲かせています。高さは1~1.5㍍、の常緑低木で、茎は細くて緑色、節間は長く、よく枝分かれして、幅50~60㌢になり、淡緑色の葉を密につけることから、こんもりとした形となり、一見大形の野草に見えます。葉は対生し、葉柄の長さは2~3㌢、葉身は楕円形で全縁、長さ5~8㌢、幅2~4㌢で、先端は尖ります。若い枝や葉柄、葉の裏には綿毛があります。葉裏はやや白っぽく、葉脈が裏面に隆起します。
花期は6~11月、茎先に長さ7~13㌢の穂状花序を垂らします。 花序にはハート形の苞が重なるようにしてつき、苞は緑色から赤褐色になり、先端に花が1個つきます。花は長さ2~3㌢の筒状花で、白色の2唇花、花は苞の中から突き出ます。下唇は3浅裂して赤色の斑点があります。果実は蒴果で、長さ1~2㌢の長楕円形、種子は卵形で、長さはおよそ3㍉です。和名は花序(苞)の形がエビ(海老)のように見え、茎や葉が青く、一見、草本に見えることから、小海老草(コエビソウ)になったとされています。公園や庭園樹、鉢植えとして用いられますが、挿し木などで増やすことができ、温度を13°以上に保てば、花を長く楽しむことができます。
江の島には、キツネノマゴ科キツネマゴ属の植物で、一年草のキツネノマゴ(狐の孫)が自生しており、龍野ヶ丘自然の森などで、その群生を見ることができます。本草の草丈は10~30㌢、花期は8~10月で、枝先に穂状花序をつけ、淡紅色の唇形の花を密につけます。
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