江の島の植物・レモン
2025年01月30日 (坪倉兌雄)

レモン(檸檬)Citrus limonはミカン科ミカン属の常緑小高木。原産地はヒマラヤ西部・マレーシアで、日本への渡来は明治の初期とされています。レモンは熱帯~亜熱帯の植物であり、冬季などでマイナス3度以下になる土地では越冬できないことから、関東地方では一般に鉢植えなどで管理されています。しかし近年の温暖化傾向により、栽培される範囲も広がっていくと考えられます。江の島のサムエル・コッキング苑では、鉢植えや地植えされたレモンの木を見ることができます。樹高は3~5㍍で、若い枝には稜があり、小さな刺が見られます。葉は互生し、革質でやや厚く、長さは6~12㌢の楕円形、幅4~6㌢で葉縁は波打ち、不揃いの鋸歯があります。葉柄は1~2㌢、葉の基部は楔形で、葉の先端は尖ります。





葉の主脈は両面に隆起し、側脈は裏面にのみ隆起します。葉の表面は黄緑色で、裏面は淡い緑色、無数の小さな油点があります。花期は四季咲きで、枝先や葉腋から総状花序をだし、淡紫色の蕾を数個つけます。花は5弁花で直径約4㌢、内側は白色で外側は淡紫色。多数の雄しべが雌しべを囲みます。果実は楕円形で長さは8~10㌢、重さは約150㌘になり、先端は乳頭状になります。熟すと果皮は鮮黄色となり、果肉は多汁で香りが高く、強い酸味があり、料理の香味料やジュースなどに用いられています。レモンの名は英語のlemonに由来し、lemonはスペイン語のlimonに由来する、とされています。漢字の「檸檬」は、中国がlemonを漢字に音訳したものです。レモンは抗酸化力の強いビタミンCやクエン酸、ルチン、カリウムなど、いろいろな栄養素を含み、免疫力を高め病気の予防に役立ち、美容などにも効果があるとされています。 【写真&文:坪倉 兌雄】
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