江の島の植物・ヒメシャリンバイ
2025年02月10日 (坪倉兌雄)

ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)Rhaphiolepis umbellateはバラ科シャリンバイ属の常緑低木で、本州南部地方以南の海辺などに自生がみられます。樹皮は暗褐色で、樹高は1~3㍍になります。江の島には自生していませんが、島内のエスカー終点の広場の一角に、植栽されたヒメシャリンバイがあり、また亀ヶ岡広場の展望台の近くにも数本植栽されています。花期には白い5弁花を密につけ、よく目立ち、訪れた人々の目を引きます。樹皮は暗褐色で、樹高は1~2㍍。葉は互生して、長さ2~4.7㌢、幅1~2㌢、縁には浅い鋸歯があります。葉は革質で表面は緑色、やや光沢があります。裏面は淡緑色で細かい網目があります。葉柄は赤みを帯びて、長さは0.5~0.7㍉に、葉の基部はくさび形になります。





花期は3~4月、枝の先に長さ3~5㌢の円錐花序をだし、直径およそ1㌢の白い5弁花を多数つけます。花は雄しべと雌しべの両方をもつ両性花です。仲間のシャリンバイの葉は青く、花は白く清らかで、さっぱりとした感じですが、ヒメシャリンバイはきわだって派手で、賑やかな感じがします。また花後には大量の花弁が落ちて風にあおられると、それなりの清掃が必要となります。果実は核果で直径およそ0.9㌢の球形、江の島では11~12月に黒紫色に熟します。ヒメシャリンバイはシャリンバイとおなじで、潮風に強く、生育が遅いことから、剪定はあまり必要ないと考えられますが、もし気になる枝があれば、それを取り除いて整えます。名前はシャリンバイ(車輪梅)の仲間で、それより葉が小さいことから姫をつけて、ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)に、シャリンバイは花が梅の花に似て、枝葉が車輪状に出ることによるとされています。
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