江の島の植物・ハリエンジュ
2025年03月30日 (坪倉兌雄)

ハリエンジュ(針槐)Robinia pseudo-acaciaはマメ科ハリエンジ属の落葉高木で、別名ニセアカシアとも呼ばれています。原産地は北アメリカ、日本へ渡来したのは明治6年(1873)とされ、やせ地でもよく育つことから、街路樹や公園樹、荒地緑化として植えられてきました。樹高は10㍍以上に、樹皮には縦に筋が入り、幹はまっすぐに伸びて、美しい樹形をつくります。枝の付け根には托葉が変化した一対のとげがあります。小枝の葉は奇数羽状複葉で、長さ12~25㌢に、小葉の長さは2~5㌢の楕円形で全縁、3~10対あり、その先端はわずかにへこみます。花期は5~6月、本年枝の葉腋に、白い花が集まった長さ10~15㌢の総状花序を垂らします。花は蝶形で芳香があり、蜜を求めて蜂や蝶があつまります。萼は鐘形で上部は浅く5裂します。





果実の長さは約5~10㌢、幅1.5~2㌢の線状長楕円形。種子は直径5~6㍉の平な腎形、黒色で4~7個あります。ハリエンジュは根粒菌と共生する樹木で荒地緑化や砂防樹などにも用いられていますが、人気のあるアカシア蜜の蜜源植物でもあります。名前の由来は、マメ科のエンジュに似ていて、枝に針があることから「ハリエンジュ」になったとされ、またアカシアに似ていることから「ニセアカシア」ともよばれています。
エンジュ(Styphnolobium japonicum)はマメ科のエンジュ属の落葉高木で、原産地は中国。葉の先端は尖り、花は蝶形花であることから見分けることができます(写真参照)。エンジュには薬効成分があり、生薬では開花前の蕾を採取し、天日に干したものを槐花(かいか)または槐米(かいべい)と呼び、口内炎や炎症性の出血などに用いられています。薬効成分は「ルチン」で植物に含まれる配糖体の一つ、毛細血管のもろくなるのを防ぎ、脳出血などの予防にも効果があるとされています。
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