湘南の魚と料理 No23 “オニカサゴ”
2025年4月28日 (Yano)
魚屋さんの店頭で珍しい魚を見かけました。名札には”オニカサゴ、相模湾”となっていました。
この魚は棘だらけ頭と容姿から通称”オニカサゴ”と呼ばれていますが、標準和名は”イズカサゴ”で、実際に伊豆半島周辺にも生息するカサゴであること、又標準名を付けた個体が伊豆半島で獲れたことが名の由来の様です。
50cmほどの大型に成長し、又、食味がとてもよいことから、”相模湾のオニカサゴ”は人気の沖釣りの対象魚となっています。
今回の個体は20cm程度の小型でしたが鮮度の良い初物でしたので購入して味見をしてみました。

オニカサゴ(イズカサゴ;伊豆笠子)
スズキ系スズキ目カサゴ亜目フサカサゴ科フサカサゴ属
海水魚。水深70〜300m。100m以深に多い。
産地: 山口県、長崎県、神奈川県、千葉県
目が澄んでいて触って張りのあるもの。赤身の強いもの。大きなものの方が味がいいといわれています
注意:鰭や頭部の棘が強く非常に鋭い。関東の呼び名「オニカサゴ」はこの棘の強さ故だ。背鰭などの棘が刺さると非常に痛みが強く、長く痛むことがある。
(出典:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑)
オニカサゴ料理
初物でしたので、先ず刺身と根魚料理の定番の煮付けにしてみました。

刺身:
この魚は特に皮目が美味しいとの評価がありましたので、皮目にお湯をかけて、氷水にとる”皮霜作り”にしていただきました。
身は柔らかめのもちもち食感、皮目は熱が入っているのでゼラチン質のプルプル食感があり、あっさりした白身は旨みがありとてもおいしかったです。
この魚大きいほど美味しいとの評価ですので、相模湾のオニカサゴ釣りに挑戦しようと思います。

煮付け:
醤油、酒、砂糖と水で通常の煮汁を作り生姜のスライスと共に落とし蓋をして中火で10分ほど煮ます。
煮汁の染みたしっかりとした白身はもちろん美味いですが、それ以上に大きな頭、骨周りの身や皮の柔らかいゼラチン質が、とてもおいしかったです。
この魚、頭が大きく刺身の歩留まりはかなり悪いため、全体を利用できる煮付けやアクアパッツァ、鍋料理がやはり向いていますね。
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