江の島の植物・ストレチア
2025年06月20日 (坪倉兌雄)

ストレリチア(Strelitzia reginae)は、ゴクラクチョウ科ゴクラクチョウ属の多年草で、原産地は南アフリカ大陸の南東方、マダガスカル諸島とされ、春から秋にかけて美しいオレンジ色で、やや風変わりな形態をした花を咲かせます。ストレリチアの名は,イギリスの王ジョージ3世(在位1760~1800年)の王妃シャーロットの旧姓に由来し、別名のゴクラクチョウカ(極楽鳥花)の名は、鳥のくちばしのような苞に包まれて咲く花の姿が、パプアニューギニアの極楽鳥(a bird of paradise)に似る、ことによるとされています。
開花期が5月~10月と長く、その独特の花を長期間楽しむことができます。気温が2~3℃以上あれば地植えで越冬できますが、寒い地域では鉢植えなどで育てることもできます。





ストレリチアは多年草で、株元から伸びた葉柄の長さは1~2㍍になります。葉身は広卵形で長さは約50㌢、幅は約10㌢で、主脈は紅色を呈し、やや裏面に出ます。花期は5~10月で、長い期間花を楽しむことができます。根本から伸びた花茎の長さは約70㌢、その上部についた仏炎苞は舟形葉状でピンク色、水平に伸びて長さは約20㌢になります。仏炎苞から伸び出てくる花はオレンジ色の外花被(萼)3個と、青色の内花被(花弁)で、熱帯の風鳥(ふうちょう)に似た風変わりな花姿になります。外花被は橙色で、最初に出る幅の広いのを「上萼片」、後から出る小さいのを「下萼片」と呼びます。花冠は紫色でその先端に、三つにわかれた雌しべがあります。雄しべは5本で花被の中にあり、外部からは見ることはできません。果実は蒴果で種子は小さく球形です。
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