湘南の魚と料理 No24 “麦イカ”
2025年6月23日 (Yano)
5月中旬から魚屋さんの店頭で相模湾産、石川産などの名札のついた小型のイカ(同長が10-15cmとスマホサイズ)を見かけます。”麦イカ”と言い”スルメイカ”の幼体です。これは麦の収穫期にとれるイカということで付けられた名前とのことです。味は少しさっぱりめで成体には劣りますが、どんな味付け・料理にも合うとても柔らかくて美味しいイカです。
今の季節のみの味ですので、見かけたら是非試されることをお勧めします。

スルメイカ:ツツイカ目アカイカ科スルメイカ属
名前の由来は、「するめ」(鯣)にされるイカの中で最も量が多いイカだからと言われています。
東シナ海、対馬海峡などで生まれ、成長しながら一部オホーツク海まで黒潮や対馬暖流で北上、産卵の為南下し1年の短い一生を終えるという回遊性のイカであることから、”季節の旅人”などと粋な名前もあるようです。産卵期によって秋・冬・夏の3群があり生息域も異なる為、日本各地で夏期を中心に広く漁獲されています。北上の途中、春から初夏にかけて太平洋側、日本海側で獲れるスルメイカの幼体が麦イカと呼ばれる。
温暖化の影響とも言われていますが、近年スルメイカの漁獲量が激減しています。2024年の漁獲枠が79200トンに対し漁獲量は19600トンと低迷、本年は枠を19200トンと下方修正。
(参照:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑、ウィキペディア)
麦イカ料理
和風、中華、洋風といろいろ作ってみました。

茹でイカ:
もちろん生でも美味しいのですが(アニサキスに注意)小型で身が薄いのでさっと湯がいてふっくらさせてショウガを添えました。しょうゆでさっぱり頂きました。
身は本当に柔らかくプリッとした歯ごたえ、甘み、さっぱりした旨味があり美味しいです。いくらでも食べられますね。
高タンパク、低脂肪、低脂質、ビタミン疲労回復のタウリンも豊富、栄養価はとても豊富ですがプリン体も豊富な様です。

麦イカとジャガイモの煮物:
少し甘めの煮汁で7-8分じゃがいもを煮つけ、最後2-3分さっとイカを煮て火を止め味を含ませます。麦イカは固くならないので時間はあまり気にしなくともよいですが。
定番料理、定番の味です。成体のスルメイカで作ると、味は濃いですがすこし固くなってしまいます。麦イカなら大丈夫、とても柔らかく美味しく頂けます。

麦イカとブロッコリーのオイスターソース炒め:
ブロッコリーを2分ほど電子レンジにかけ、イカを加えてごま油(お好みの油)などで2分ほど炒め、オイスターソースを合わせる。
いい意味で主張しない味と柔らかい食味が中華風の味付けにもよく合い美味しいです。

春野菜と麦イカのペペロンチーノ:
ニンニクのみじん切り・たかのつめをオリーブ油で炒めて香りを出し、軽く湯がいた春キャベツとパプリカに麦イカを加えて軽く炒める。固めに茹でたスパゲティーを加えてゆで汁で味と水分の調整をする。
麦イカを大量に使った為か、たっぷりのイカの旨味に春キャベツの甘み、歯ごたえがなかなか良いハーモニーでした。美味い。
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