江の島の植物・レッド・ロビン
2025年07月10日 (坪倉兌雄)

レッド・ロビン(Photinia x fraseri ‘Red Robin’)は、日本に自生するカナメモチとオオカナメモチを、アメリカで交雑して作られた園芸品種で、セイヨウカナメモチ(西洋要黐)とも呼ばれています。バラ科カナメ属の常緑小高木で、樹高は3~5㍍に、根本から多くの枝を伸ばし、4月中旬には赤色の新葉が伸びてよく目立ちますが、成熟すると葉は緑色になります。レッド・ロビンは病害に強く、刈り込みにも強いことから、生垣などにもよく用いられています。江の島では歩道脇などでも、見ることができます。樹皮は暗褐色、葉は互生し長さは6~12㌢、幅2.5~4.5㌢の長楕円形、革質で光沢があり、基部は楔型で、葉柄の長さは0.8~2.5㌢、葉縁に細かい鋸歯があり、葉の先端は尖ります。主脈は葉裏に突出します。





新葉が赤くなるのはアントシアン(anthocyanin)によるもので、新芽を強い紫外線から守ります。花期は4月中旬~5月初旬、枝先に直径12~16㌢ほどの散房花序を出し、直径約8~10㍉の丸みを帯びた小さい白色の5弁花を多数開きます。花序径は10~13㌢になり、紅色で光沢のある葉が、白色の花序をさらに引き立てます。雄しべは15~20本、雌しべは1本で花柱は途中から2つに分かれます。萼片は三角形で5個あります。花が終わると葉はしだいに青色に変色します。レッド・ロビンは丈夫で刈り込みにも強く、生垣や庭木としてもよく植えられています。名前の由来は、赤い葉を「赤い駒鳥(Red Robinn)」に喩えて言い表したものと考えられます。またアメリカで交雑してつくられたことから、別名で「セイヨウカナメモチ」とも呼ばれています。交雑による品種であることから、結実はほとんど見られません。カナメモチ(Photinia globra)との違いは、レッド・ロビンの葉がやや大きくて、新芽の赤色が濃く、葉柄に鋸歯状の突起が無い、などで区別できます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2025年07月10日












