江の島の植物 コルディリネ・ストリクタ
2025年07月20日 (坪倉兌雄)

コルディリネ・ストリクタ(Cordyline stricta)はキジカクシ科センネンボク属の常緑低木で原産地はオーストラリア。和名ではアオドラセナ(青ドラセナ)と呼ばれて親しまれています。関東以西の暖地では庭木として路地植えにもされています。江の島では江の島神社・奥津宮へ向かう参道わきの、日陰でやや湿り気のある場所に植栽されており、手に取って観察することができます。根茎は多肉質。幹は褐色で細く直立し、単幹または分岐するものもあります。樹高は3~4㍍。葉は枝先に密生し、長さ30~50㌢、幅2~4の剣状披針形で葉柄はありません。花期は5~6月、葉腋から円錐花序を出し、15~40㌢の長い花穂を垂らして、多数の小さな6弁花を密につけます。花は淡紫色で、基部には3個の苞があり、葯は花冠から突出します。


観葉植物コルディリネ・オーストラリス



サムエル・コッキング苑には、キジカクシ科のコルディリネ・オーストラリス(Cordyline australis)が地植えされています。原産地はオーストラリアで、ヤシ科の樹木に似て枝は無く、葉は剣状で長く伸び、やや硬くて葉先は尖り、樹木の上部にまとまってつきます。5月中旬にコッキング苑を訪れたときには、樹木の先端に大きな花序がつき、白色の小さい花を密につけていました(写真参照)。本種は丈夫で病菌や昆虫などによる被害も殆どないとされています。耐寒性があり乾燥にも強く、日当たりや水はけのよい南関東以西の温暖な地では地植えが可能です。公園樹として、また洋風の住宅などでは庭木として用いられますが、一般の住宅では観葉植物として、鉢植えなどで育てることができます。コルディリネ属には多くの品種があり、葉の色も異なり、どことなく南国ムードをかもしだす植物です。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2025年07月20日












