浮世絵で訪ねる藤沢宿と江の島道 参詣と観光の歴史
2025年8月4日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で「浮世絵で訪ねる藤沢宿と江の島道 参詣と観光の歴史」が9月15日(月・祝)まで開催されています。東海道の6番目の宿場である藤沢宿は、伝馬や物流の拠点であるとともに旅の要所でもありました。藤沢宿は江の島詣と大山詣りへの分かれ道があったため、それぞれの参詣者たちで賑わいました。

今回の展示では、藤沢宿と江の島詣を描いた浮世絵や絵図、絵葉書や写真などを展示することにより、藤沢宿と江の島の参詣と観光の歴史を紹介しています。
それでは各コーナーの展示概要とみどころを紹介しましょう。
◆東海道五十三次コーナー 「描かれた東海道」
本コーナーでは、歌川広重の「東海道風景名所図会」、春川英蝶(英笑)の「懐宝一覧 花の美や古路」、二代歌川広重の「東海道五十三次」から戸塚・藤沢など6点が展示されています。なかでも春川英蝶(英笑)の「懐宝一覧 花の美や古路」は、日本橋から京都までの東海道の宿場ごとに、句(詩)と画(イラスト)を添えてコンパクトな折り本に仕立てた作品です。旅のガイドブックといったところでしょうか。

◆藤沢宿コーナー 「にぎわう藤沢宿」
本コーナーでは、歌川広重が江の島一の鳥居と大鋸橋(現 遊行寺橋)を描いた浮世絵が展示されています。当時の藤沢宿が伝馬や物流の拠点であることを示す「遊行伝馬手形」などの貴重な資料も展示されています。
歌川広重の藤沢宿の浮世絵からは、江の島詣や大山詣りの参詣者たちで賑わう藤沢宿の様子を読み取ることができます。

◆江の島コーナー 「江の島詣」
本コーナーでは、歌川広重、歌川国貞(三代豊国)などの絵師が描いた「江の島詣」の浮世絵が展示されています。また、中央には、道中奉行所が作成した「江島道見取絵図」(複製)が展示されていてひときわ目をひきます。

◆企画コーナー 「浮世絵で訪ねる相模の名所」
本コーナーでは、参詣・物見遊山の場所として有名だった鎌倉・箱根・金沢八景を紹介する浮世絵や版本を展示しています。また、観光地である藤沢・江の島を紹介する明治時代から昭和にかけての写真や絵葉書なども展示されています。
歌川広重が描いた版下絵をもとに大正8年に酒井好古堂が制作した名所絵「広重遺稿東海道余興」が展示されています。本コーナーのみどころの一つです。

本コーナーのみどころの一つです。

他にも明治から昭和にかけての写真・絵葉書が数多く展示されています。
◆学芸員によるみどころ解説が9月7日(日)に行われます。
・開催日:9月7日(日)
・時 間:11:00~11:30/15:00~15:30(各回同一内容)
・場 所:藤澤浮世絵館 多目的室
・定 員:各回30人(当日先着順)
・参加費:無料

藤沢宿や江の島の参詣と観光の歴史がよくわかる展示だと思いました。なかでも、遊行伝馬手形、江島道見取絵図、そして歌川広重の版下絵をもとに酒井好古堂が制作した名所絵「広重遺稿東海道余興」など貴重な資料や絵が展示されているのは良かったと思いました。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページでは、展示作品の解説が展示期間中掲載されていますのでご覧いただければと思います。
藤澤浮世絵館公式ホームページ⇒こちら
◆関連展示「昭和100年 広報ふじさわと商店広告でつづる藤沢の暮らし」
昭和24年に創刊された広報ふじさわや商店広告を展示し、懐かしい当時の世相や暮らしぶりを紹介しています。
・会 場 藤沢市民ギャラリー常設展示室(ODAKYU湘南GATE6階)
・会 期 前期 7月7日(月)~8月27日(水) 「市政と開発」
後期 8月30日(土)~10月5日(日) 「暮らしと出来事」
・閉室日 7/14(月)、8/19(火)、8/28(木)、8/29(金)、9/8(月)
・開室時間 平日 午前10時~午後8時
土日祝日 午前10時~午後6時


記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 ☑ 2025年8月4日












