江の島の植物・シロバナマンテマ
2025年09月30日 (坪倉兌雄)

シロバナマンテマ(白花マンテマ)Silene gallica var gallicaはナデシコ科マンテマ属の1年草、ヨーロッパ原産の帰化植物で江戸時代に栽培目的で移入されたものが野生化し、日本各地の海岸の砂地や市街地などに見られるようになりました。江の島では海辺や広場の片隅の草むらなどに生育しています。茎は横にはい、そして立ち上がって高さは20~40㌢になり、長短の腺毛や開出毛が見られます。葉は対生につき葉柄はありません。葉は全縁で長さは2~5㌢、下部につく葉は大きく、上部につく葉は小さくなります。下部につく葉の先は円頭、上部の葉は倒披針形で先端は尖ります。花期は5~6月、茎の上部に総状花序をだして白色~淡紅色の合弁花をつけます。花冠の直径は約7㍉で、裂片は倒卵形、雌しべは1個で雄しべは10個、花柱は3個あります。





萼筒は狭卵形で長さは約8㍉で、赤褐色の10脈があります。花が終わると萼筒が膨らみ、脈上に長い開出毛や腺毛が見られ、萼筒の先端に2㍉ぐらいの細い5歯がつきます。果実は萼に包まれた蒴果で、熟すと6裂して黒色の種子をだします。和名の由来は、マンテマの仲間で白花をつけることから「シロバナマンテマ」に。
シロバナマンテマとマンテマは、いずれもヨーロッパ原産の帰化植物で草姿がよく似ています。いずれも海岸や野原などに野生化し、高さは20~30㌢、葉は対生して下部の葉はへら形で上部の葉は倒披針形で先端はとがります。両者の手っ取り早い見分け方は花弁にあります。前者の花弁は白または薄いピンク色、後者のマンテマの花弁は白色ですが、その舷部の中央に濃紅色の大きな斑点があります。
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