江の島の植物・オオバギボウシ
2025年11月10日 (坪倉兌雄)

オオバギボウシ(大葉擬宝珠)Hosta sieboldianaは、キジカクシ科の多年生草本で耐寒性があり、北海道南西部~九州の山地に分布し、湿地や林縁などの日陰や湿り気のあるところで、その群生が見られます。江の島では中津宮広場やサムエル・コッキング苑などの半日陰でやや湿った場所で見ることができます。葉は根生葉で、根元から長い葉柄が束になって伸び出て、草丈は30~100㌢になります。葉は大形の卵状長楕円形で、長さ20~30㌢、幅は10~14㌢に。葉の表面は淡緑色で、裏面はやや光沢のある緑色を呈します。茎から葉の中央に伸びる1本の主脈は太く、この主脈から伸びる葉脈は左右合わせて22~23本、主脈の両側に平行して、葉先に向かって走ります。葉脈はいずれも葉裏に突出し、ややざらつきます





花期は6~7月、開花時の苞は長楕円形で花茎に対して直角に付きます。花茎は葉よりも長く100~140㌢に伸び、その先端に総状花序を付けます。花は淡紫色または白色の一日花で、花冠は約5㌢、細長い漏斗形で花茎の下側から咲き上がります。花の先端は6片に裂けて、やや下向きに開きます。雄しべは6本、その先端は内側へ曲がります。雌しべは雄しべより長く、花柱の先は内側へ曲がり花冠の外へ突き出ます。ギボウシの名の由来は、若い葉が欄干の擬宝珠に似ることによる、とされています。江の島にはオオバギボウシの他に、大形で黄覆輪の入ったサガエギボウシ(寒河江擬宝珠)を、亀ヶ岡広場の一角で見ることができます。自然交配による園芸品種で葉が大きく厚みがあり、長さ27㌢、幅21㌢、花は薄緑色で穂状に咲き上がります。サガエギボウシの名は、山形県の寒河江(さがえ)市で発見されたことによります。ギボウシの若芽などは食用になり、おひたしや和え物などにして食べます。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2025年11月10日












