江の島の植物・常緑小高木《ヒサカキ》
ヒサカキは本州、四国、九州、沖縄に分布し、潮風に強く江の島の山地や海辺、参道わきなどに生え、神社境内などにも植栽されています。
ヒサカキは本州、四国、九州、沖縄に分布し、潮風に強く江の島の山地や海辺、参道わきなどに生え、神社境内などにも植栽されています。
江の島の植物・常緑小高木《ヒサカキ》
2014年2月 18日 (写真&文:坪倉 兌雄)
ヒサカキ(姫榊)Eurya japonica
ツバキ科ヒサカキ属
ヒサカキは本州、四国、九州、沖縄に分布し、潮風に強く江の島の山地や海辺、参道わきなどに生え、神社境内などにも植栽されています。雌雄異株で樹皮は灰褐色、葉は互生し、楕円形でやや厚く長さは3~8㌢、ふちに鋭い鋸歯があります。花期は3~4月、葉腋に直径5~6㍉で、やや異臭のある黄緑色の小花を密生し下向きに開き、花弁は5個、雄花には雄しべが10~15個つき、雌花には雌しべが1個つきます。
江の島の海辺に生えるヒサカキ
果実は球形で直径4~ 10~12月に黒紫色に熟します。枝葉はサカキ(ツバキ科サカキ属)の代用として神事にも使用されます。ヒサカキと同属のハマヒサカキ(Eurya emarginata)は低木で、江の島の海辺などに生え、車道脇の生垣などにも用いられていますが、葉の長さは2~4㌢と小さく、長楕円形で質は厚くて先がへこみ、葉の主脈は裏面に隆起することからヒサカキと区別することができます(写真参照)。
果実は球形で直径4~ 10~12月に黒紫色に熟します。枝葉はサカキ(ツバキ科サカキ属)の代用として神事にも使用されます。ヒサカキと同属のハマヒサカキ(Eurya emarginata)は低木で、江の島の海辺などに生え、車道脇の生垣などにも用いられていますが、葉の長さは2~4㌢と小さく、長楕円形で質は厚くて先がへこみ、葉の主脈は裏面に隆起することからヒサカキと区別することができます(写真参照)。
江の島神社・奥津の宮境内のヒサカキ
ヒサカキの雄花には雄しべが10~15個つく
ヒサカキの葉
ハマヒサカキの葉
ハマヒサカキの雄花
名前の由来は、同じツバキ科サカキ属のサカキ(Cleyera. japonica)に似るが、葉などがサカキより小さいことから姫をつけて「姫榊」に、またはサカキに似るが異なることから「非榊」になったともいわれています。サカキはマサカキ(真榊)とも呼ばれ、関東南部以西に分布しますが、江の島では、神社境内などに植栽されており、高木で葉は6~10㌢と長く、ふちは全縁です。サカキが生育していない東北地方などでは、ヒサカキをサカキと呼んで神事に使われているところもあります。ここではヒサカキをツバキ科で紹介していますが、APG分類体系ではサカキやハマヒサカキと共にサカキ科に分類されています。花期はそれぞれ異なり、ヒサカキは3~4月、サカキは6~7月、ハマヒサカキは10~2月で、いずれも常緑樹で庭木や公園樹などにも用いられています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年3月22日