ミズキは,落葉高木でやや湿気のある斜面などによく生育し,江の島では西側の海辺や中津宮広場の海側で・・・
江の島の植物・落葉高木≪ミズキ(水木)≫
2016年4月13日 (写真&文:坪倉 兌雄)
ミズキは北海道から本州、四国、九州に分布す落葉高木で、やや湿気のある斜面などによく生育し高さは10㍍以上になり、枝を横に大きく張り出して階段状の樹形になります。江の島では西側の海辺や中津宮広場の海側で見ることができます。樹皮は汚灰色で縦に浅い裂け目ができますが、若枝は無毛で丸く冬は赤みを帯びます。葉は互生して枝先に集まり広卵形~広楕円形、縁は全縁で波状になり先端は短くとがり、側脈は6~9対で、葉柄の長さは3~5㌢、葉の裏面には伏毛が密生しやや白身を帯びます。5~6月、枝先に散房花序を出して、直径7~8㍉の白い小さな花を密につけ、遠くからでもよく目立ちます。花弁は長楕円形で4個あり、雄しべは4個、雌しべは1個。果実は核果で直径6~7㍉の球形、9~10月に黒く熟します。 | ミズキ(水木)Cornus controversa ミズキ科ミズキ属|
和名は、春先などに枝を折ると水のような樹液がしたたることに由来するとされています。ミズキの成長は早く、幹はまっすぐに伸びて大きく育ち、また材は白くて柔らかいことから、下駄、箸材、印鑑、こけし、寄木細工などに、また庭木や街路樹にも用いられています。ミズキによく似た仲間のクマノミズキは、ミズキより葉幅が狭くて先がとがり、葉は対生することなどから見分けることができますが、江の島には自生していません。また同じミズキ属のヤマボウシやハナミズキ(北米・メキシコ原産)はサムエルコッキング苑などに植栽されています。 |