湘南戦後文学紀行
文芸評論家 ゆり はじめ 氏 が、江ノ電沿線新聞に発表した文章と対談をまとめたエッセイ集。「湘南」を、抽象化された「しょうなん」なるものが空気のように存在している地帯のことを漠然と指すものとしてとらえ、その「しょうなん」なるものが生み出した作家と作品を紹介している。戦争体験に真摯に向き合い、歴史の証言としての豊かな「しょうなん」の戦後文学の役割をわかりやすく解説している。
紹介されている作家と作品は下記のとおりです。ほとんどの作品は藤沢市の図書館に所蔵されています。
【横浜の戦後文学】
石川淳『黄金伝説』、安岡章太郎『陰気な楽しみ』、島尾敏雄『幼年期』、宮原昭夫『ごったがえしの時点』、郷静子『れくいえむ』、ゆりはじめ『修身「優」』、 堀田善衛『広場の孤独』、田中英光『暗黒天使と小悪魔』、五木寛之『海を見ていたジョニー』、山川方夫『その一年』、青木雨彦『男の履歴書』、大佛次郎『天皇の世紀』、寺田透『わが横浜』、磯田光一『戦後史の空間』
【三浦半島の戦後文学】
清岡卓行『海の瞳』、阿川弘之『井上成美』、島尾敏雄『魚雷艇学生』、堀田善衛『若き詩人達の肖像』『時間』『誰も不思議に思わない』、林尹夫『わがいのち月明に燃ゆ』、筧槇二『筧槇二詩集』その他、長島三芳『肖像』、立原正秋『剣ケ崎』
【藤沢・鎌倉の戦後文学】
いいだもも『斥候よ夜はなお長きや』、佐江衆一『遙か戦火を離れて』、阿部昭『司令の休暇』『明治42年夏』、前田愛『樋口一葉の世界』、三木卓『言葉のする仕事』『砲撃のあとに』、田村隆一『田村隆一詩集』
【茅ヶ崎の戦後文学】
城山三郎『指揮官たちの特攻』
作者:ゆりはじめ
出版社:江ノ電沿線新聞社
価格:1,500円+税
出版年月:2016年1月15日
ページ数:167ページ
参考情報:総合市民図書館、南市民図書館、辻堂市民図書館、湘南大庭図書館に各1冊(全体で4冊)所蔵されています。
(2017/6/17 文責:Tanbakko)