特別展示 江嶋縁起絵巻藤澤浮世絵館で藤沢市指定重要文化財に指定された「江嶋縁起絵巻」が特別展示されています。
特別展示 江嶋縁起絵巻
2019年3月31日(取材・記事:Tanbakko)
2019年2月1日、藤沢市指定重要文化財に指定された江島神社所蔵の江島神社本「江嶋縁起絵巻」が、藤澤浮世絵館に特別展示されています。3月31日(日)から最終日の4月14日(日)までは「巻2・3・5」が展示されます。
藤沢市指定重要文化財に指定された江島神社所蔵の「江嶋縁起絵巻」。全5巻で総長46メートル9センチ5ミリあります。(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
3月23日に藤澤浮世絵館で開催された学芸員による見どころ解説に参加しましたので、そこで勉強したことをレポートしたいと思います。
江島神社には「真名本江嶋縁起」が所蔵されていますが、その成立は平安時代末期とされています。真名本とは漢字のみで書かれたものですが、その後に仮名本絵巻などが成立したと考えられています。
江嶋縁起の成立は平安時代の末期とされています。(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
藤沢市指定重要文化財に指定された「江嶋縁起絵巻」は、17世紀後半の成立とされています。筆は左大臣の三条左府実秀、絵は水戸藩の御用絵師・狩野興也です。
絵は水戸藩の御用絵師・狩野興也が描きました。(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
「江嶋縁起絵巻」の各巻には何が描かれているのでしょうか。それを概括したのが下記の図です。
(※見どころ解説のスライド より引用。)
(※見どころ解説のスライド より引用。)
各巻の内容を簡単に要約すると下記のとおりです。
第一巻には、五頭龍に子供が生け贄として差し出される様子が描かれています。
第二巻には、弁才天女が降臨して江の島を創りだす様子が描かれています。
第三巻には、奈良時代に役行者(役小角)や泰澄大師などが参籠する様子や天女に懸想した道智法師を江の島より追い払う様子が描かれています。
第四巻には、平安時代に弘法大師空海が参籠して岩屋本宮を創建する様子などが描かれています。
第五巻には、平安時代から鎌倉時代にかけて、上之宮(中津宮)や下之宮(辺津宮)が創建される様子が描かれています。
以下、見どころ解説のスライドの画像で、各巻の代表的な場面を紹介します。
第一巻 暴れる五頭龍(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
第二巻 弁才天女が十五童子を引き連れて降臨する場面(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
第三巻 天女に懸想した道智法師を龍に変じた天女が追い払う場面(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
第四巻 弘法大師空海が天女にまみえる場面(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
第五巻 下之宮(辺津宮)が創建される場面(※江島神社所蔵 画像は藤沢市郷土歴史課の提供によります。)
各巻の場面がパネル展示されていて分かりやすい説明がなされています。各巻に何が描かれているかがよく分かります。
江嶋縁起絵巻の特別展示は4月14日までです。この機会に藤澤浮世絵館でご覧いただければと思います。藤澤浮世絵館では現在「小栗判官物語と遊行の縁」が展示されていますので、あわせてご覧いただければと思います。
※画像は「学芸員による見どころ解説」でのスライドを撮影して掲載しました。不鮮明なところがありますがご容赦願います。実物は是非藤澤浮世絵館でご覧ください。
藤澤浮世絵館のホームページ→http://fujisawa-ukiyoekan.net/
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年xx月xx日