「美術館まで(から)つづく道」展 茅ヶ崎市美術館では、「美術館まで(から)つづく道」展を開催中。
「美術館まで(から)つづく道」展(茅ヶ崎市美術館)
2019年7月23日 (itazu)
茅ヶ崎市美術館では、「美術館まで(から)つづく道」展を開催中。障害者やマイノリティと位置付けられることの多い人たちと表現者が茅ヶ崎の道を歩き、プロセスの最初から巻き込んで新たな発想力を引き出すインクルーシブデザイン手法*を活用したフィールドワークを1年半かけて実施し、そのフィールドワークに参加した表現者による新作を展示している。
会期:2019年7月14日~9月1日まで。
会期:2019年7月14日~9月1日まで。
*インクルーシブデザインとは、高齢者、障害者、外国人など多様な人々を、プロセスの最初から巻き込むデザイン手法。
フィールドワークは、つぎの4回に分けて実施された。
◆聴覚の感覚特性者と歩く道(2018年2月)
◆小さな感覚特性者と歩く道(2018年3月)
◆視覚感覚特性者と盲導犬と歩く道(2018年6月)
◆車椅子ユーザの感覚特性者と歩く道(2018年7月)
◆聴覚の感覚特性者と歩く道(2018年2月)
◆小さな感覚特性者と歩く道(2018年3月)
◆視覚感覚特性者と盲導犬と歩く道(2018年6月)
◆車椅子ユーザの感覚特性者と歩く道(2018年7月)
フィールドワークに参加した表現者が実際に茅ヶ崎を歩いた体験をもとに創作した作品は次の通り。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚などを用いて鑑賞する新たな作品が展開されている。
視覚、聴覚、触覚、嗅覚などを用いて鑑賞する新たな作品が展開されている。
1.風と音を摘み歩く道―音鈴(金箱淳一+原田智弘)
《音鈴》 金箱淳一+原田智弘
「感覚の調和が生まれる居心地のよい空間を作りたい」という考えに基づいて風に恵まれた茅ヶ崎の原風景について音と触覚による記憶の記録を試みている。
短冊に息を吹きかけると澄んだ音が聞こえてくる。
2.鳥と小さなものの楽園道―土手の上で(原良介)
《鳥》原良介 《土手の上で》 原良介
「自由な空間での負荷が好き」というフィールドワークでのキーワードを、一緒に歩いた、小さな子供の鳥のような動きに感じ取ったという。テーマは「鳥」。
3.漂う音とにおいにふれる道ーうつしおみ(MATHRAX)、道の香りパレット(稲場香織)
(左)《うつしおみ》 MATHRAX〔久世祥三+坂本茉里子〕香料開発:稲場香織
(右)《道の香りパレット》 稲場香織
(右)《道の香りパレット》 稲場香織
誰かとともに歩く時に生まれるリズム感、空気感の中で、新しく姿を変える音、光、香りのイメージを表現している。
4.記憶を重ね進む道ー茅ヶ崎散歩記憶と記憶細胞(アーサー・ファン)
《茅ヶ崎散歩記憶細胞》 アーサー・ファン
来館者が、茅ヶ崎の散歩の記憶を残してゆくことで、日常のありふれた行動を見直す新たな視点を持つことが期待されている。一つ一つの記憶が、美しい球となって新しい道が生まれてゆく。
本展の詳細は下記HPを参照。
http://www.chigasaki-museum.jp/exhi/2019-0714-0901/
http://www.chigasaki-museum.jp/exhi/2019-0714-0901/
本展の新い試みついて同館のホームページでは下記のように締めくくっている。
「本展を通して、障害者や マイノリティをめぐる「助ける側」「助けられる側」という二者の関係性に揺さぶりをかけるとともに、障害の有無を超え、誰もが一人一人異なる感覚を持ちながら生きる「感覚特性者」であるという観点から、違いを認め合い、ともに歩む ことを楽しみその価値を捉え直す機会となることを目指します。」
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2019年7月21日