江の島の植物・ユキノシタユキノシタ(雪ノ下)は食用や観賞用としてもよく栽培され、江の島では参道わきの湿地や岩場などでも見ることができます。
江の島の植物・ユキノシタ
2020年07月10日 写真&文: 坪倉 兌雄
ユキノシタ(雪ノ下)Saxifraga stoloniferaはユキノシタ科ユキノシタ属の多年草で、本州、四国、九州に分布し、やや湿った山地や石垣などに生え、また食用や観賞用としてもよく栽培されています。江の島では参道わきの湿地や岩場などでも見ることができます。茎の基部から、暗紫色で糸状の長い匍匐枝を四方に伸ばし、その先に新しい株をつくりながら繁殖します。葉は根生して葉柄の長さは5~10㌢に、葉は腎円形で縁に浅い鋸歯があり、基部は心形で長さは3~6㌢、幅3~8㌢、葉質は柔らかくてやや厚く、脈に沿って白色の斑があり、葉柄や葉の両面には粗毛があります。陰地の湿った場所に自生する葉は暗緑色で、長い粗毛が見られ、裏面は暗赤色を帯びます。一方、明るい岩場などに自生する葉は緑色で、裏面は白色の粗毛で覆われます。花期は5~6月、花茎は長く伸びて分枝し20~40㌢に、その先端に花をつけ、萼片は5個で長さは2~5㍉、花茎や萼片には腺毛が密生します。
花弁は5個で、上部の3個は卵形で小さく長さは約3㍉で数個の紅斑があり、基部には黄色の斑紋が見られます。下部の花弁2個には斑紋はなく、白色で長さは0.8~1.8㌢で不同。雄しべは10個、雌しべは2個で、子房の基部が合着して肥厚し、その上部を黄色の花盤(花托)が覆います。果実は広卵形の蒴果で種子は楕円形です。
和名の由来は、白い花を雪に見立てて、その下に緑の葉が見えることから「雪の下」、冬季でも雪の下で枯れずに残っていることから「雪の下」などの諸説があります。ユキノシタは観賞用として庭園などに栽培されますが、葉は食用として天ぷらなどに用いられてきました。また葉には各種の薬効成分があるとされ民間薬としても利用されています。5~7月の開花時期に葉を採取して、陰干しで乾燥させたものを生薬では虎耳草(こじそう)といいます。
和名の由来は、白い花を雪に見立てて、その下に緑の葉が見えることから「雪の下」、冬季でも雪の下で枯れずに残っていることから「雪の下」などの諸説があります。ユキノシタは観賞用として庭園などに栽培されますが、葉は食用として天ぷらなどに用いられてきました。また葉には各種の薬効成分があるとされ民間薬としても利用されています。5~7月の開花時期に葉を採取して、陰干しで乾燥させたものを生薬では虎耳草(こじそう)といいます。
2020年07月10日