続・湘南のお地蔵さま 『諸龍地蔵』
2021年5月10日 (江ノ電沿線新聞)
『諸龍地蔵』(しょりゅうじぞう) 中島淳一
座間市 入谷東
座間市 入谷東
小田急座間駅よりバスに乗り幼稚園入口で下車。二百メートル程戻り、信号で左折して三百メートル程進む。突き当りを右折した先の道路の辻にお堂があり、二体のお地蔵さまが祀られる。立派な扁額にもあるようにその名を諸龍地蔵という。このお堂のある辻から西北西に伸びる急坂は地蔵坂と呼ばれ、この地蔵が昔から地域で愛されていたことを物語る。この諸龍地蔵の名前の由来だが、この地区には南光坊、清造坊という寺院名のような地名が伝わり、前者は市内の坂東三十三観音札所第八番目の真言宗星谷寺(しょうこくじ)の末寺だったらしい。六地蔵は様々な尊名を持つが、真言宗系の中にこの諸龍地蔵(修羅道)の名があるので何らかの関係が推測される。 二体のお地蔵さまは共に合掌し、基壇上の蓮台に立つ。右側の像は大正六年に造り直されたもののようで、左の像はその先代のものとも言われている。 両像とも沢山の涎掛けをつけるが、この地蔵には「子育て地蔵」の信仰があり、子どもが生まれたら名前と誕生日を書いて首に結び、健やかな成長を祈る習わしが今も続いているためである。 季節の花々に囲まれ幸せそうなお地蔵さま、未来を託す大切な子どもたちに病禍のない世界を…、と心より願う。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年5月10日
目次
続・湘南のお地蔵さま
『諸龍地蔵』
2021年5月10日 (江ノ電沿線新聞)
『諸龍地蔵』(しょりゅうじぞう) 中島淳一
座間市 入谷東
座間市 入谷東
小田急座間駅よりバスに乗り幼稚園入口で下車。二百メートル程戻り、信号で左折して三百メートル程進む。突き当りを右折した先の道路の辻にお堂があり、二体のお地蔵さまが祀られる。立派な扁額にもあるようにその名を諸龍地蔵という。このお堂のある辻から西北西に伸びる急坂は地蔵坂と呼ばれ、この地蔵が昔から地域で愛されていたことを物語る。この諸龍地蔵の名前の由来だが、この地区には南光坊、清造坊という寺院名のような地名が伝わり、前者は市内の坂東三十三観音札所第八番目の真言宗星谷寺(しょうこくじ)の末寺だったらしい。六地蔵は様々な尊名を持つが、真言宗系の中にこの諸龍地蔵(修羅道)の名があるので何らかの関係が推測される。二体のお地蔵さまは共に合掌し、基壇上の蓮台に立つ。右側の像は大正六年に造り直されたもののようで、左の像はその先代のものとも言われている。両像とも沢山の涎掛けをつけるが、この地蔵には「子育て地蔵」の信仰があり、子どもが生まれたら名前と誕生日を書いて首に結び、健やかな成長を祈る習わしが今も続いているためである。季節の花々に囲まれ幸せそうなお地蔵さま、未来を託す大切な子どもたちに病禍のない世界を…、と心より願う。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2021年5月11日