江の島の植物・サンゴシトウ
2021年8月25日 写真&文: 坪倉 兌雄
サンゴシトウ(珊瑚刺桐)Erythrina×bidwilliiはマメ科ディゴ属の落葉低木で、アメリカディゴとエリスリナ・ヘルバケア(E. herbacea)の交配種、オーストラリアで育種されたとされ、別名をヒシバディゴ(菱葉梯梧)とも呼ばれています。江の島では、江の島エスカーに乗り、頂上の終点で降りると、そのすぐ右側で見ることができます。幹は淡灰色で、縦に浅く筋が入り、直立して高さは3~4㍍になります。また花を長く楽しむために、切り戻し剪定などが行われることから、幹の一部がこぶ状になっています。葉は3出複葉で互生し、葉柄は暗紫赤色で長さは約10㌢、頂小葉は大きく、広卵状菱形で長さは8~11㌢、幅7,5~10㌢、基部は広い楔形で先端は尖ります。側小葉は頂小葉にくらべてやや小形で、葉は緑色の洋紙質、全縁で裏面は淡緑色、葉脈上や茎に刺があります。
花期は6~9月、本年枝の先に約50㌢の長い総状花序をつけ、暗赤色で、約5㌢の細長い筒状の花を多数上向きにつけますが、旗弁は筒状で全開しません。1本の雌しべを、雄しべ9本が囲むようにしてつきます。花が咲き終わった枝を切り戻し剪定すると、脇芽が伸びて再び開花します。このようにして1年に数回(2~3回)、開花させることができます。果実は豆果で暗褐色に熟します。サンゴシトウは日当たりがよくて、水はけのよい場所でよく育ち、施肥の必要はなく、病虫害の心配はほとんどありません。暖地では、種まき、株分け、挿し木などでふやすことができます。名前の由来はマメ科の植物で、花の色が珊瑚の色に似て、葉や枝などに刺があり、葉が桐の葉に似ることからサンゴシトウ(珊瑚刺桐)に、また小葉が菱形であることから、別名でヒシバディゴ(菱葉梯梧)とも呼ばれています。
2021年8月25日