美人東海道 国貞と広重のつながり藤澤浮世絵館で「美人東海道の風景にみる国貞と広重のつながり」が開催されています。
藤澤浮世絵館展示
「美人東海道の風景にみる国貞と広重のつながり」
2022年6月3日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館では現在、「美人東海道の風景にみる国貞と広重のつながり」が開催されていて、歌川国貞(三代豊国)が描いた「東海道五十三次之内」が展示されています。
東海道五十三次コーナーの展示風景です。
歌川国貞(三代豊国)が描いた「東海道五十三次之内」は、通称「美人東海道」と呼ばれて親しまれています。背景には東海道五十三次の宿場の風景が、手前には美人が各宿場に関連した風俗で描かれています。
背景図には、歌川広重の代表作「東海道五拾三次之内」(通称「保永堂版東海道」)から引用されたとされる図が多く見られるのが特徴ですが、宮宿から京都までは四日市をのぞいて、複数の名所図会から引用されています。
今回の展示は、美人東海道とともに保永堂版東海道(復刻版※)も合わせて展示されていますので、構図の共通点や表現のちがいなどに着目して鑑賞することができます。(※歌川広重「東海道五拾三次之内」のうち、戸塚・藤沢以外は、昭和41年(1966年)に高見沢版画研究所により刊行された復刻版が展示されています。)
右側が国貞の「東海道五十三次之内 藤沢図」です。背景は、左側の広重の「東海道五拾三次之内 藤沢 遊行寺」が引用されています。
このように、国貞の作品とその背景として引用されたと思われる広重の作品が合わせて展示されています。展示作品についても詳しく説明されていますので、お互いを見比べながら鑑賞することで理解も深まると思います。
東海道義十三次コーナーから藤沢宿コーナー、そして企画展示コーナーにかけて全作品が展示されていますので、是非とも浮世絵館に足を運んでご鑑賞いただければと思います。
東海道義十三次コーナーから藤沢宿コーナーにかけての展示風景です。
企画展示コーナーの展示風景です。
最後に、江の島コーナーですが、「向こうはビジンでこっちはミジンだ!銅版画・石版画の味わい」と題して、明治時代に海外から本格的に輸入された銅版画や石版画による作品が展示されています。
江の島コーナーには主として明治期の銅版画や石版画が展示されています。
「美人東海道の風景にみる国貞と広重のつながり」は藤澤浮世絵館で6月26日(日)まで開催されています。あと3週間ほどです。ご関心のある方はお早めにどうぞ。
●学芸員による「みどころ解説」が行われます。
・日にち:2022年6月11日(土)
・時 間:11:00~11:30/15:00~15:30(各回同一内容)
・会 場:藤澤浮世絵館交流スペース
・定 員:各回20名(申込み先着順)
・参加費:無料
現在申込みを受け付け中です。
ご希望の方は藤澤浮世絵館に電話(0466-33-0111)でお申し込み下さい。
なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページ(下記)では、展示作品の解説が展示期間中掲載されています。あわせてご覧いただければと思います。
http://fujisawa-ukiyoekan.net/collections/top.html
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年6月3日