江の島の植物・フェイジョア
江の島ではサムエル・コッキング苑で、植栽されたフェイジョアを見ることができます。
江の島ではサムエル・コッキング苑で、植栽されたフェイジョアを見ることができます。
江の島の植物・フェイジョア
2022年07月18日 写真&文:坪倉 兌雄
フェイジョア(Acca sellowiana)はフトモモ科フェイジョア属の常緑小高木で、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部などが原産地、わが国へは昭和の初期に、アメリカから渡来したとされています。熱帯性の植物ですが、耐寒性があり、塩害にも強いとされています。関東以西の比較的暖かい地域では地植えが可能で、樹高は3~6㍍になります。江の島ではサムエル・コッキング苑で、植栽されたフェイジョアを見ることができます。樹高は約3㍍、樹皮は褐色~灰褐色でよく枝分かれし、若い枝には軟毛が密生しています。葉は単葉で対生し、革質で全縁、長さ3~7㌢、幅2~3㌢の卵状楕円形で先端は丸く、表面に光沢があります。葉の裏面には綿毛が密生して銀白色に、葉脈は裏面に隆起します。葉柄の長さは0.8~1.3㌢。花期は6~7月、新梢(当年枝)の葉腋に約4㌢の花を1個ずつつけます。
花は両性花で花弁は4枚、肉質で厚く内巻きになり、内側は紫紅色、外側は白い綿毛に覆われます。雄しべは赤色で多数あり、長さは約2㌢でよく目立ち、その先端の葯には黄色い花粉がつきます。雌しべは1個で雄しべより長く突き出ます。フェイジョアの果実は液果で、長さ5~7㌢の楕円形~長楕円形、9~11月に熟し、やわらかくなった果肉はクリーム色で、パイナップルのような香りがあり、そのまま食べることができます。最近は育種されたものも多く、果実の形や大きさ、味など、色々と楽しむことができ、ジャムやゼリーなどに加工して保存することもできます。フェイジョアは接ぎ木、挿し木などで増やすことができ、庭木や鉢植えにして楽しむことができます。名の由来は、スペインの植物学者ジョアン・シルバ・フェイホアの名に因んだものとされています。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2022年07月18日