江の島の植物・セイヨウシャクナゲ
江の島では神社境内や、サムエル・コッキング苑などで見ることができます
江の島では神社境内や、サムエル・コッキング苑などで見ることができます
江の島の植物・セイヨウシャクナゲ
2023年04月20日 写真&文:坪倉 兌雄
セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)Rhodo-dendron hybridumはツツジ科ツツジ属の園芸種の一つ、常緑広葉樹の低木です。耐寒性があり、江の島では神社境内や、サムエル・コッキング苑などで見ることができます。樹皮は灰褐色~褐色で、幹には細かい裂け目があり、粗く枝分かれして樹高2~4㍍になり、まるくてこんもりとした樹形になります。葉柄の長さは1~1.5㌢で、葉の基部はくさび形、葉は革質で互生し、輪生について先はやや下垂します。葉の縁は全縁で先端はとがり、長さ 10~15㌢、幅3~4.5㌢の長楕円形、光沢があり、裏面はやや白っぽく、主脈は裏面に隆起します。花期は4~6月、花柄の先端に、ツツジに似た花がおよそ10個集まって、球状の豪華な花姿(はなのすがた)をつくります。
樹皮は灰褐色
葉脈は裏面に隆起
雄しべ10個、雌しべ1個
シャクナゲの花にはピンク、赤、白、桃色などがありますが、本稿ではセイヨウシャクナゲの赤い花を取り上げました。個々の花の花冠は漏斗状鐘形で長さは約3.5㌢。花冠は5裂して、雄しべが10個、雌しべが1個あります。花は大きく豪華で、園芸品種のなかでも特に人気のある品種とされています。シャクナゲの名の由来は、漢名の「石南花(シャクナンゲ)」をシャクナゲと読み、世界各地で交配してつくられた園芸品種であることから「セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)」になった、などの説があります。シャクナゲの葉、茎、花には、グラヤノトキシン(ロドトキシン)などの有毒成分を含むことから、シャクナゲが多く植わっている場所で採取された、蜂蜜などには注意が必要です。シャクナゲの花はそれぞれに美しく、庭木、盆栽などにもよく利用されています。
日本原産のツツジ科ツツジ属のシャクナゲには、ツクシシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、ホンシャクナゲ、アズマシャクナゲ、キバナシャクナゲなどがあります。
日本原産のツツジ科ツツジ属のシャクナゲには、ツクシシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、ホンシャクナゲ、アズマシャクナゲ、キバナシャクナゲなどがあります。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2023年04月20日