江の島の植物・カンナ
2025年08月20日 (坪倉兌雄)

カンナ(Canna generalis)はカンナ科カンナ属の一郡で多年草、カンナの名前は学名のCannaを日本語読みしたもので、別名でハナカンナ(花カンナ)とも呼ばれています。原種は中南米原産で、ヨーロッパなどで改良がなされて多くの園芸種があり、日本へは江戸時代に渡来したとされています。耐寒性のある球根植物で、花色は赤、黄、橙、桃、白などがあり、現在では国内の各地で栽培されています。カンナの花の形態は特異(単型)で、雄しべ6本のうち5本が花びらになり、残りの1本が花粉をだして雄しべの機能をはたしています。
江の島では亀ヶ岡広場やサムエル・コッキング苑、江の島大師、参道わきなどで、黄色の花を開くカンナの群落を見ることができます。カンナは地下を這う根茎があり、茎は単一で直立し、高さは1~2㍍になる単子葉植物の一つです。





葉は大きく、互生して平行脈がよく目立ち、基部は茎を抱き、葉身は緑色で狭卵形~狭楕円形、長さは20~70㌢、幅15~30㌢に、先端は鋭く尖ります。花期は8月~10月、花は総状花序につき、つぼみは茎の先端から伸び出て、次々と新しい花を開きます。花の形態は特異で、花びらは雄しべが花弁化したもので基部まで分かれます。雄しべ6本のうち5本が花びらになり、残る1本が花粉を出して雄しべの機能をはたします。外側3個の花びらの長さはそれぞれ約8㌢、内側の赤い斑点模様がつく2枚の長さは約6㌢と7㌢になり、6㌢の短い方に雄しべとへら状の雌しべがつきます。カンナの内花被(花弁)は小さくて薄く、3裂して垂れさがり、裂片の長さは約4㌢の披針形で先端は尖ります。花の下部につく子房(子房下位)は楕円形で緑色、長さは約1㌢で表面にイボ状の突起があり下部は2個の苞に包まれます。江の島では冬季でも枯れることなく、葉は緑色を保っています。カンナの名は、ギリシャ語のKanna(アシ)に由来する、などの説があります。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 2025年08月10日












