江の島の植物・マサキ
2025年10月30日 (坪倉兌雄)

マサキ(柾)Euomymus japonicusはニシキギ科ニシキ属の常緑小低木で、雌雄同種。北海道南部、本州、四国、九州、沖縄に分布し、海岸付近の林などに自生しています。江の島では海辺や広場の片隅、江の島大師の境内や参道わきなどでも見ることができます。樹皮は暗褐色で縦溝があり、本年枝は緑色を帯びて丸く、樹高は2~6㍍になります。葉は対生しますが、稀に互生・輪生するものがあります。楕円形で厚い革質、葉柄の長さは0.7~1、5㌢。葉身の長さ3~8㌢、幅2~4㌢、葉は緑色で厚く光沢があり、裏面は黄緑色で両面とも無毛、葉縁に浅い鋸歯があります。花期は6~7月、葉腋から小型の集散花序を出し、径7~8㍉の黄緑~緑白色の4弁花を7~15個つけます。花柄は長さ0.6~1.5㌢、花は両性花で花弁は4個、萼片は4個あります。





花盤(雌しべの下部の蜜を分泌する部分)が発達し、雌しべはその真ん中につき、4個の雄しべは花盤の縁につきます。果実は蒴果で、直径6~8㍉の球形。11月~翌年の1月に赤く熟し、果皮が4裂して種子が出ます。種子は赤色の仮種皮に包まれて、落ちないでぶら下がります。赤い実は緑の葉をバックによく目立ちます。果実は食用にはなりません。ムクドリ、ヒヨドリ、ツグミなどが実を啄み、種子を遠くへ運びます。マサキは常緑で潮風にも強く、防風林や生垣、公園樹や庭園樹、鉢植えなどに用いられています。名前の由来は、常緑であることから「真青木(マサアオキ)」が訛って「マサキ」なった、などの説がありますが定かではありません。マサキの花や果実を含む全部位が有毒とされています。庭木や生垣などに用いた場合、子供やペットなどが誤って食べないよう注意を促す必要があります。
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