藤澤浮世絵館展示 黒船来航―幕末・明治の浮世絵―
2025年11月24日(取材・記事:Tanbakko)
藤澤浮世絵館で、「黒船来航―幕末・明治の浮世絵―」が11月12日(水)から12月14日(日)まで開催されています。
嘉永6年(1853)のペリー提督率いる黒船来航により、日本は開国、明治維新へと激動の時代を迎えます。黒船来航を機に、外国人や外国の風俗を描いた「横浜絵」と呼ばれる浮世絵や、時代を風刺した戯画、新しい文化を描いた文明開化絵など、さまざまな表現が生まれてきます。

本展示では、国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館、国際基督教大学図書館、M.ウィリアム スティール氏(国際基督教大学名誉教授)のご協力を得て、幕末・明治の浮世絵を借用し、展示しています。
それでは各コーナーの展示概要とみどころを紹介します。
◆東海道五十三次コーナー 「描かれた異国 描かれた日本」
本コーナーでは、外国人や外国の風俗を描いた「横浜絵」と呼ばれる浮世絵や、イギリスで発行された挿絵付き週刊新聞『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』に掲載された「外国からみた日本」の記事などが展示されています。

◆藤沢宿コーナー 「幕末から明治維新へ」
本コーナーでは、幕末から明治維新にかけて描かれた「子供遊竹馬尽し」や「むつの花子供の戯」といった戯画(=諷刺画)が展示されています。また黒船来航から彰義隊の敗北までの16年間の主な事件と各年の米相場が描かれている「嘉永年間より米相場直段并年代記書抜大新版」もみどころの一つです。

◆江の島コーナー 「幕末・明治の江の島」
本コーナーでは、幕末・明治期の江の島を描いた浮世絵などが展示されています。二代 歌川広重の「相州七里ヶ浜 江之島金亀山遠景之図」は、学芸員の解説によると輸入物の絵の具が使用されているのが特徴とのことです。また、週刊新聞『イラストレイテッド・ロンドン・ニュース』に掲載された「中国と日本のスケッチ(江の島洞窟)」が展示されているのもみどころの一つです。弁天小僧が登場する白浪五人男を描いた浮世絵2点も展示されています。

◆企画コーナー 「新しいくらしと文化」
本コーナーでは、明治の時代に新しい事物を描いた「文明開化絵」と呼ばれる浮世絵や海外の事物を紹介する版本、旧来の日本で使われていた物と西洋から輸入された物とが争っている戯画などが展示されています。明治の人々の間で反発や受容を繰り返しながら人々の暮らしが変化していった様子が伺える展示となっています。


本展は、藤沢市所蔵の浮世絵や資料に加えて、国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館、国際基督教大学図書館、M.ウィリアム スティール氏(国際基督教大学名誉教授)から借用した貴重な浮世絵や資料を観覧することができます。
黒船来航から開国、明治維新へと続く激動の時代、日本のくらしと文化が変化していく姿がよくわかる展示だったと思いました。
◆学芸員によるみどころ解説が11月29日(土)に行われます。
・開催日11月29日(土)
・時 間:11:00~/15:00~(各回同一内容・30分程度)
・場 所:藤澤浮世絵館 多目的室
・定 員:各回30人(当日先着順)
・参加費:無料

なお、藤澤浮世絵館の公式ホームページでは、展示作品の解説が展示期間中掲載されていますのでご覧いただければと思います。
藤澤浮世絵館公式ホームページ⇒こちら
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。 ☑ 2025年11月24日












