江の島の植物・ダンドボロギク
2025年12月20日 (坪倉兌雄)

ダンドボロギク(段戸襤褸菊)Erechtites hieracifolia はキク科タケダグサ属の1年草または多年草、北アメリカ原産の帰化植物で1933年に愛知県の段戸山で見つけられたとされ、現在では日本各地の荒地や道ばた生え、江の島では参道わきの草むらなどで普通に見ることができます。茎は青くて柔らかく、高さは1㍍にもなります。葉は互生して葉柄はなく、線形または線状披針形で、長さは5~15㌢に、ふちには大小不ぞろいの鋸歯があります。花期は9~10月、茎は上部で枝を分け、筒状の頭花を上向きに多数つけます。頭花に舌状花はなく、細い筒状花で長さは1~1.5㌢、総苞は円筒形で下部がやや膨らみます。痩果は約2㍉の長楕円形で褐色。冠毛は白色で、風を受けて種子を散布します。





名前の由来は、愛知県の段戸山で発見されたことにちなみダンド(段戸)、また果実が熟すと白い冠毛がつくので、この冠毛をボロ(襤褸)切れに見立て、段戸襤褸菊(ダンドボロギク)になったとされています。同じキク科の1年草にアメリカ原産のベニバナボロギク(紅花襤褸菊)があります(上部写真を参照)。江の島ではダンドボロギクと同じような場所に生えていますが、花冠の先がオレンジ色で花序全体が下を向きにつくことから見分けることができます。高さは30~70㌢。葉は倒卵状楕円形で、長さは10~20㌢になり、下部の葉は羽状に切り込みます。葉は柔らかくてシュンギクに似た香りがあり、いずれのボロギクも食用になります。
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