企画展「藤沢の谷戸-人の暮らしと生き物-」
藤沢市の代表的な3つの谷戸(川名清水谷戸、石川丸山谷戸、遠藤笹窪谷)と、そこに暮らす人々や動植物などを紹介する企画展が日本大学生物資源科学部博物館で開催されています。
企画展「藤沢の谷戸-人の暮らしと生き物-」
藤沢市の代表的な3つの谷戸(川名清水谷戸、石川丸山谷戸、遠藤笹窪谷)と、そこに暮らす人々や動植物などを紹介する企画展が日本大学生物資源科学部博物館で開催されています。
「谷戸」とは、台地や丘陵に小さな谷が複雑に刻み込まれた地形のことです。谷戸は里山の風景を形作っており、そこで生活する人々が作り出してきた多様な環境に合わせて、様々な生き物が暮らしています。
都市化の進行により藤沢でも谷戸の風景は失われてきました。今、藤沢には、川名清水谷戸、石川丸山谷戸、遠藤笹窪谷の3つの谷戸があります。この3つの谷戸は、いつまでも大切に守っていきたい景観として「わがまちふじさわ景観ベストテン」に「原風景の残る三大谷戸」として選ばれています。
企画展では谷戸に生息する動植物の標本や写真が展示されています。谷戸を作っているいろいろな畑や草地、池や水路、湿地や水田、樹林などが、そこに生息する動植物の写真とともにパネル展示されています。谷戸の豊かな自然が多様な生き物を育んでいます。まさに「日本の原風景」がそこに残っているとも言えるでしょう。
谷戸で暮らす人々の四季折々の生活やなりわいが「谷戸暦」として展示されていました。自然と共生して暮らす人々の営みがよくわかる展示です。谷戸に生息する動物が鳴き声とともに映像で紹介されていて、谷戸での生活の雰囲気が感じ取れます。
藤沢に残された貴重な谷戸の自然や景観を守り育てようと活動している団体の紹介コーナーもありました。川名里山レンジャー隊、遠藤竹炭の会、日本大学生物資源科学部動植物研究会の3つの団体の活動が紹介されていました。
ちょうど企画展を取材しているときに高校生の諸君が見学に訪れ、展示されている標本やパネルを熱心に見ていました。
企画展は9月2日(金)まで、日本大学生物資源科学部博物館3階のイベントホールで開催されています。多くの市民の方々がこの企画展を通して、藤沢の豊かな自然、いつまでも残しておきたい谷戸の景観の素晴らしさに触れていただきたいものと思いました。
企画展で紹介されている3ヶ所の谷戸の説明(企画展チラシより)
- 川名清水谷戸(かわなしみずやと)
- 藤沢駅南部に残された川名緑地の中心部にある谷戸で、3つの谷戸から構成されており、面積は10ha程あります。斜面林には縄文時代の遺跡や奈良時代の横穴墓が点在しています。
- 石川丸山谷戸(いしかわまるやまやと)
- 石川丸山谷戸は、2つの谷戸から成り立っています。この谷戸は神奈川県の進める里地里山保全等地域に選定され、保全協定が結ばれています。
- 遠藤笹窪谷(えんどうささくぼやと)
- 藤沢市北部最大の樹林面積を誇る健康の森に含まれる谷戸で、約33haあり、大きな一つの谷戸地形からなっていて、谷戸の規模が大きいことが特徴です。
なお、企画展「藤沢の谷戸-人の暮らしと生き物-」の詳細は“えのぽ”イベント情報をご覧下さい。
URLはhttp://www.enopo.jp/event/details/167.htmlです。